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W杯序盤戦 苦戦の要因を考える 

ここのところマスメディアを通じて報じられる苦戦の原因のうち、かなりのウェイトを占めているのが「道具」。スピードスケートの場合、たしかに足裏から氷までの距離が陸上競技などとくらべて大きいので、ブーツのフィット感や、ブレードすなわち刃の部分の取り付け位置が競技成績に与える影響が大きい。しかし、かつてアメリカのコーチで、その後長野五輪オランダチーム、現在はノルウェーチームを率いて大いなる成果を挙げつづけるピーター・ミューラー氏は、スケート靴について次のように語っている。「スケート靴は、みんなが履いているVIKING、SSSならどれでもいい。大差はないんだ。あぁそう、MARCHESE(今は完全に主流になっているが、当時出はじめだった)でもいい」。破天荒なキャラで周囲から怪訝な視線を浴びつづける彼らしいコメントともとれたが、ちょうどそのころ日本人で初めてマーケージーのブーツを履いた私にとっては、ほかのどの人の言うことより聴く耳をもてたし、船底(カーボンブーツの底面が丸みを帯びていることからこの呼び名となっていた)と蔑視された道具を使うにあたり、ひときわ強く背中を押してくれる言葉でもあった。他国のコーチに技術的な質問を投げかけるなど、もしかしたらご法度なのかもしれないが、彼と私の間にはどこか通ずるものがあったらしく、こちらがぶしつけに投げかけた問いにも、彼は開けっぴろげにこたえてくれた。そんな彼は、あるときこうもいっている。「位置なんてどこだっていい。インサイド、アウトサイド、wherever! 俺は位置で悩んでる選手を数多くみてきたけど、バニー、DJ、たくさんの経験がある。だけど、関係ない。どこだって滑れるんだ、気にするな」。王子製紙の監督もされたかつてのスプリンター、大山三喜雄さんほどではないにせよ、髪の毛数本分の調整に明け暮れた時期だっただけに、そのときばかりは耳を疑った。しかし、実際に極端に位置を変えたからといって、タイムが急激に悪化するわけでもなければ、ましてや急上昇するわけがない。ブレードの進行方向に対して靴を真横に付けるはずもないので、せいぜい±10°くらいのところで悩んでいる。昔はスケートといえば靴にリベットでカシメられていて、出来上がってしまえば容易に取り付け位置をずらすことなどできなかった。カーボンブーツが出てきて以降、もっといえばスラップスケートとなってからは、金具を前後のボルトで固定するスケートを皆がつかっている。幸か不幸か、いまでは小学生だって位置を気にすることが可能になってしまった。繰り返しになるが、位置を変えてもタイムはさほど変らない。もちろん、人によってはそんなコトはないと言うかもしれないが、実際にタイムを計ってみると自身が足裏のセンサーを通じて感じるほどの差はタイムに出ない。もし、タイムが出ないとすれば、それは位置のみに起因するものではないだろう。位置を変えたことによって、変えた位置と自らの動作とに調子のズレが生ずることによるものだ。何度か日本電産サンキョーの今村俊明監督にうかがった話だが、今話題の加藤条治選手はどの位置でセッティングしてもなんなく滑ってしまうらしい。そこから出てくる発言は、まさに、鬼才ピーター・ミューラーと同じ、「どこでも変りません」といったものだという。わずか20歳にして、達観しているのか、それとも迷宮の扉を未だあけずにすんでいるだけなのか。迷宮に入ってしまえば、人の感覚とは恐ろしいもので、どんな微細なちがいをも180℃別ものとして見分けるほどに尖ってしまう。記録に映らない違いを追求して、悪魔に戦いを挑むか。はたまた、現状をひとつの解決点として他に専心するか。二つに一つ。今の私なら後者を選ぶ。
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[ 2005/11/20 03:16 ] スピードスケート | TB(0) | CM(0)

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